Continuous Ops

Exploring the world of 'Infrastructure as Code'

Dell主催「次世代ネットサービス向け クラウド・インフラストラクチャ セミナー」- プライベートクラウドについて考える

2013/06/21 15:00~18:00、デル株式会社主催『次世代ネットサービス向け クラウド・インフラストラクチャ セミナー』というセミナーが行われたので参加しました。Dellもクラウドのセミナーをやるようになったとは時代の流れを感じます。

前半2つのセッションはほとんど聴いていなかったので、後半2つのセッションについて書き留めておきます。

『WEBサービスに最適なクラウド基盤を構成する3つの要素』(クリエーションライン:安田さん)

クリエーションライン という会社、Opscode Chefの日本の正規代理店という点で名前だけは知っていましたが、今回はじめて具体的に業務内容を知りました。

クラウドの導入支援やコンサルティングをしている会社なんですね。OpenStack周りでコミュニティとも関わりの強い会社のようです。

タイトルにある3つの要素とは、下記の3点のことで、ぞれぞれについて解説が行われました。

  • プラットフォーム・・・パブリッククラウドか、プライベートクラウドか
  • 構成管理(自動化)・・・Opscode Chefを使う
  • マネジメント(マルチクラウド)・・・Enstratiusを使う

パブリッククラウドかプライベートクラウドかについては、今回のセミナーはDellのクラウド関係ということで、プライベートクラウドに焦点が当たっていましたが、サービスやチームの性質や規模によってケースバイケースなので、決まった答えはないのかなと思いました。

構成管理ツールについては、私はChef一択ということはないと思っています。Chefは非常に多機能でマルチプラットフォーム対応が柔軟なぶん、やや複雑化しすぎてしまっていると思います。かといってPuppetの勢いはそれほど無いし、またはAnsibleやSaltやCuisineなのかというとそうでも無い気がしています。 言語やDSLがどうというより、「RedHat系Linuxに特化」などある程度OSを絞った形でやらないとchefでいうcookbookのメンテが無理すぎる、というのがchefを1年ほどさわって抱いた感想です。

サイバーエージェントにおけるプライベートクラウド本格導入~その実情(サイバーエージェント:奈良さん)

サイバーエージェント本体のインフラ部門が構築中のプライベートクラウドの内部の解説でした。実際の管理画面やネットワーク図などを含んだ詳細な解説がありました。

とにかく開発スピードの高速化に貢献できるプライベートクラウドを目指すという目的のもと、機能的なメリットよりはシンプルさを追求したものになっています。ディスク以外は冗長化をなるべくせず、アプリケーション側でフェイルオーバーを前提とした作りにするというくだりが印象的でした。

私はこれまで海外事業をやってきたのでこのプライベートクラウドを使う機会は無かったのですが、一応アカウントがあって管理画面入ってみたり仮想サーバーを作ってみたことはあります。

中途半端に中を知っているだけにコメントしづらいのですが、全社的にインフラを共有して効率化とコスト削減を狙うという基本姿勢は大賛成だしその方向でうまくいっていると思います。

AWSと比較されることが多いそうですが、多機能、複雑なAWSに対してとことんシンプルさを追求するサイバーエージェントのプライベートクラウドは、うまく棲み分けできると思います。

ただ独自路線を突き進むよりは、コミュニティ、たとえばOpenStackに追従したほうがいいと思います(ぼそっ

Juju – Ubuntuのクラウドのオーケストレーションツール

セミナーのセッションとは直接関係がないのですが、終わった後の懇親会で、Ubuntuの支援企業であるCanonicalの人が面白いツールを教えてくれました。

Juju
https://juju.ubuntu.com/

オーケストレーションツール(Orchestration Tool)といわれるツールです。

私はUbuntuは使っていないのですが、chefのcookbookがUbuntuベースで作られていることが多いので、Ubuntuを使えば簡単なのにと思うことはたまにあります。その話を振ってみたところ、Jujuの話がでてきました。オーケストレーションツールはchefのような構成管理ツールと同等には重要な存在になると思うのですが、まだ定番といえるものが出てきていません。今後ぜひ調べてみたいと思います。